こんにちは。不登校の中学生の子を育てる母です。
不登校の経験を通して、日常の小さな幸せや季節の変化を大切に感じるようになりました。
久しぶりの登校と、桜吹雪の帰り道
先日、子どもが進級をきっかけに久しぶりに学校へ行きました。朝の空気は少しひんやりしていて、どこか背筋が伸びるような感覚。
少し緊張した様子で、それでも自分の足で一歩を踏み出していく姿を、驚きつつも静かに見送りました。
久しぶりの学校はどうだっただろう。
そして帰りの時間、車で迎えに行ったときのことです。
学校の近くの道には、満開の桜が広がっていました。風がふわりと吹くたびに、花びらが舞い上がり、やわらかな桜吹雪に包まれる帰り道。
その景色を見た瞬間、胸の奥にたまっていたものがすっとほどけていくのを感じました。

新しい制服に身を包んだ、まだあどけない息子の入学式のころのことを思い出したり、
「また春が来たんだな」、「また一年のスタートなんだな」と静かに実感したり。
言葉にするのは難しいけれど、いろんな気持ちが重なって、ただスゥーっと深く息を吸いこみたくなるような時間でした。
外の空気がくれた、やさしい余白
ここまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。
行けない日が続く中で、どう関わればいいのか分からなくなることも何度もありました。
そんなある日、「少しだけ外に出てみようか」と声をかけてみたことがあります。気が乗らず不機嫌になる日もあれば、ほんの少しだけ一緒に歩いてくれた日もありました。
散歩に出かけられた日は何を話したか…特別な会話があったわけではありません。
それでも、同じ空を見て、同じ風を感じる時間は、言葉以上に心をゆるめてくれるものでした。あのとき感じた、外の空気のやさしさ。
それは今日の桜の下でも、変わらずそっと寄り添ってくれているようでした。
桜の下で、深呼吸するように
ピンク色の舞い落ちる花びらの中を歩きながら、自然と私は深呼吸をしていました。
吸い込む空気と一緒に、少しずつ気持ちが軽くなっていく。そんな感覚がありました。
「また春がきた」
たったそれだけのことなのに、
ほんの少しだけ前を向ける気がしたのです。大きく何かが変わったわけではありません。
明日も同じように登校するとは限りません。
それでも——
こうして、自分から踏み出せた一日を過ごせたこと。一緒に桜吹雪の中を歩けたこと。
そのひとつひとつが、きっと意味のある時間なんだと思えました。
無理に頑張ろうとするのではなく、ときどき立ち止まって、深呼吸するように。
これからも、子どもと一緒に季節を感じながら、ゆっくり歩いていけたらと思います。
同じように悩んでいる方の毎日にも、季節の移り変わりを感じるひとときの中で、やさしく心がほどける瞬間が訪れますように。
